住宅購入の契約前にチェックしておくべき注意点
目次
住宅購入は人生最大の買い物。
昔から「夢のマイホーム」と言われますが、どんなに不況と言われようとも、自分の城を持つことへのあこがれは強いものがあります。
豪華なシステムキッチンに広いリビング、わいわいと家族で団らんしたり、それぞれ個室でプライベートな時間を過ごしたり、まさしく生活の基盤である住宅選びはかなり重要です。
住宅購入に関しては「マンション派VS.一戸建て派」に分かれますが、
快適な住空間においては求めているものに違いはないはずです。
今回は「住宅購入の契約前にチェックしておくべき注意点」をテーマに、住宅購入に不安を感じている方に向けて、少しでもスムーズに、かつ満足してマイホームを得られるよう有意義な情報をお伝えします。
物件探しの第一歩は
ライフスタイルと優先順位
家づくりや住まい探しは楽しいものです。
誰にでも住まいのイメージを持っていると思いますが、現実に手に入れるには、さまざまなハードルを乗り越えなければなりません。
まずは物件探しです。
そもそも住宅購入のきっかけは、人それぞれですが、
- 結婚
- 家族が増えた(子どもの誕生)
- 転勤
がトップ3でした。
ライフスタイルの変化が住宅購入に大きく関わることがわかります。
将来的なライフスタイルを考慮しての物件探しは、
- 不動産会社のホームページ
- 新聞広告
- 不動産情報誌(情報サイト)
- 口コミ
- 住宅展示場
- モデルルーム
などがあります。
今の時代は情報収集の手段がたくさんあるため、大量にインプットできますが、中には情報が多すぎて混乱する方もいらっしゃるかもしれません。
全ての希望を満たそうとしたり、延々と比較を繰り替えすと、ますます情報のドロ沼にはまってしまい疲弊していくばかりです。
そこで重要なのは、物件探しの条件希望の優先順位です。
優先すべきことを書き出して明確にすることで、効率よく情報を得ることができます。
では、具体的に優先すべきことについて例を挙げてみましょう。
物件選びの優先順位とは
マイホームの検討では、どうしても外観や間取り、子ども部屋の数、駐車場や庭の有無、そして販売価格に着目しがちです。もちろん生活の潤いや豊かさに欠かせないことではありますが、まずは、どこに住むかが最も重要です。
つまり街(以下エリア)の選択です。
住みやすいと評判のエリア、少し寂しくなっているエリア、発展中のエリアなど、実際に足を運んでみると肌感覚で雰囲気が読み取れます。
活気あふれる場所か、それとも閑静で落ち着いた場所か、生活の利便性に優れている場所か、ある程度の判断は付けましょう。
地元の不動産業者は、エリア情報をたくさんもっているので、しっかりとヒアリングすることをおすすめします。特に再開発や区画整理や道路計画などの都市計画などの将来的な情報やハザードマップなどの情報はしっかりと聞いておくべきです。
そのあとで、具体的な物件の希望条件やこだわりをまとめます。
- 新築か中古か
- 一戸建てかマンションか
- 購入希望価格
- 間取り
- 築年数
- 駐車場の広さ
- 面積
- 室内設備
- 周辺環境(学校、病院、スーパーなど)
- 住宅性能や優遇制度
などが挙げられます。
希望条件やこだわりの中で優先順位を付けるためには、現地公開中の一戸建て住宅のオープンハウス、またはマンションのオープンルームを訪問して、入居者目線でチェックをすると良いです。
一戸建てかマンションか
住宅購入で真っ先に考えるのは、一戸建てかマンションか、ということではないでしょうか。
冒頭で「持家派VS.賃貸派」について少し触れましたが、「一戸建て派VS.マンション派」でも、さまざまな意見や見方があります。
優位性を競うよりは、満足できるかどうかを着地点とするほうが、よろしいかと思います。
どちらか迷っている場合は、一戸建てとマンションについて、端的に特徴をまとめていますので、チェックしてみてください。
あくまでも一般的な情報です。
- 一戸建て
土地を所有可能、駐車場無料、メンテナンスは自己負担、庭を広くとれる(手入れは大変)、光熱費の負担大、太陽光発電の設置、リフォームは自由、子が独立すると2階を持て余す、台風対策が大変、ゴミ収集所の管理、町内会の付き合いなど - マンション
セキュリティが強固、ゴミ出しが簡単、立地が比較的良い、メンテナンスは管理会社が担当、高層階の眺望がすばらしい、駐車場代・修繕積立金・管理費の負担、管理組合の理事が輪番制、エレベーターが込み合う、リフォームが難しいなど
身もふたもないことを申し上げますが、どのように細かく比較しても、キリがないのが現実です。
どちらも魅力的で、どちらもちょっとしたデメリットがあるからです。
一戸建ては、整然と区切られた住宅地に分譲や注文住宅として建てられるため、駅やスーパーなどから遠く、立地に関してもはマンションに分があります。
その反面、マンション周辺は夜も賑やかな場合もあり、公園も少ないことから、子育てに関しては一戸建てが向いているとも言えます。
前章でライフスタイルに関わると言いましたが、今後を見据えて選択するようにしましょう。
新築か中古か
もうひとつの悩ましい問題は、新築か中古かということです。
まっさらな新築は魅力満載です。
新築一戸建ては何もない宅地からスタートします。
地鎮祭などを経て徐々にマイホームができあがっていく過程は、きっと忘れられないでしょう。
マンションも1年から1年半の工事期間を経ての入居になるため、やはり完成後の生活を考えるとワクワクするのではないでしょうか。
中古も状態次第では、希望の物件を格安で手に入れることができるため、経済的に優位性があります。
好きなようにリフォームすることを想定して、格安物件をあえて購入する方法もあります。
さらに、住宅選びの優先順位はエリアだと前述しました。
希望のエリアで新築できる確率は、どうしても低くなります。
中古物件となると希望のエリアで見つかる確率は高くなります。
そのほか中古には耐震性やセキュリティなどのチェックポイントもあり、物件選びは簡単ではありません。
なるべく不動産業者に相談することをおすすめします。
頭金の準備と住宅ローン
住宅購入は、人生で最も大きな買い物であることは、すでに述べました。
大抵の場合は金融機関で数千万円を借り入れして、約30年以上にわたってコツコツと返済していく、住宅ローンを利用することになります。
完済すると晴れて自分の持ち物になりますが、できることなら早く完済したいことでしょう。
住宅ローンについては、金利の低い商品を選ぶことで、総返済額を抑えることができます。
さらに頭金を用意することで、返済総額を減らすことも念頭に置きましょう。
この章では、頭金の目安や住宅ローンについてお話しします。
自己資金の相場
自己資金は、いくらほど準備をするとよいのか、これも迷うポイントです。
国土交通省の平成30年度住宅市場動向調査では、自己資金に関するデータがまとめられていましたので紹介します。
|
注文住宅 |
新築 一戸建て |
新築 マンション |
中古 一戸建て |
中古 マンション |
購入 |
3,971 |
3,933 |
4,577 |
2,814 |
2,819 |
自己 |
1,237 |
858 |
1,560 |
1,026 |
1,190 |
土地と建物を購入
出典:国土交通省
統計を見ると、自己資金はイメージしていたよりも負担が大きいと思った方はいると思います。
自己資金の内訳を割合が多い順に見てみると、
- 預貯金・有価証券売却代金・退職金
- 不動産売却
- 贈与
- 遺産相続
- その他
となっています。
自己資金が大きい理由は、頭金とは別に、退職金の一部を住宅ローンの返済にあてるケースが多いためと言えるでしょう。
つまり住宅ローン返済開始前に、ある程度の頭金を投入し、完済が見え始めたところで退職金などを割り当てるという方法が定着しているのかもしれません。
頭金はいくら必要か
一般的な頭金の相場は、購入資金の2割と言われています。
仮に購入資金が3,000万円とすると、600万円が目標額となるわけです。
返済総額に影響するため、頭金はできるだけ多く準備したいところではありますが、頭金ゼロでも住宅ローンを組むことは可能です。
しかし、金利が高くなるケースもあるのです。
フラット35は融資率が9割以下と9割超では、金利に差が付きます。
現時点(2020.10月)における金利水準は、
融資率 |
金利の範囲 |
最も多い金利 |
9割以下 |
1.3%~2.06% |
1.3% |
9割超 |
1.56%~2.32% |
1.56% |
わずかな金利差に見えますが、小さな数字に油断をしてはいけません。
上記の表から、融資率別に返済総額を試算してみると、以下のようになります。
【試算条件】
借り入れ3,000万円、ボーナス払いなし、元利均等返済、返済期間30年、最大の金利幅を適用
融資率9割以下(1.3%)・・3,625万円
融資率9割超(2.32%)・・4,167万円
総額で542万円の差が付きます。
フラット35を利用するなら、融資率に着目しましょう。
とは言え、今の低金利時代では「頭金を貯める」よりも「住宅ローン」を家賃に負担のない限度内で組む方が賢明であると言われています。しっかりと貯蓄する事も大事ですが、人ぞれぞれの購入のきっかけが違いますので「今買いたい」と思った時に無理なく購入可能かを不動産会社などに相談する方が多くなっています。金融機関も物件の評価以上の金額を融資するケースもありますので不動産会社に相談されてください。
住宅ローンの選び方
住宅ローンの選び方も頭を悩ませるものです。
一般に住宅購入で利用される住宅ローンは、
- フラット35
- 金融機関独自のローン
- 不動産会社の提携ローン
- 財形住宅融資
などがあります。
住宅金融支援機構による住宅ローン利用者の実態調査(2020年5月調査)によれば、金利別に利用者を見てみると、
- 変動型2%
- 固定期間選択型6%
- 全期間固定型2%
という結果でした。
全期間固定型の代表とも言えるフラット35の利用者が多いようなイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、
- フラット35以外の利用者
金利が低い・・6% - フラット35利用者
返済額を確定しておきたかった・・8%
という選択理由も調査結果に出ています。
出典:住宅金融支援機構
実際に、変動型の住宅ローンでは、金利が0.5%を切っている金融機関も多くあるため、6割以上が選んでいることには納得できます。
しかし、変動金利にはリスクもあります。
半年に1度の金利見直し、5年に1度の返済額見直しが基本です。
住宅ローンの返済総額が大きいほど、金利が上がったときに対応できるかどうかが問われます。
住宅ローンを選ぶ際は、不動産会社の意見に耳を傾けてみることもよいでしょう。
まとめ
住宅購入の契約前にチェックしておくべき注意点として、
-
物件探し
-
住まいの選択
-
住宅ローン
についてお伝えしました。
物件探しはエリア探しと言っても過言ではありませんし、住まいの選択(一戸建てかマンションか)については、メリットとデメリットを検討しましょう。
住宅ローンは、なるべく多くの自己資金(頭金)を準備することで、返済総額を抑えるようにします。金利のタイプについても変動型が多く利用されていますが、リスクを十分に理解しておくようにしましょう。焦らず、惑わず、足元をしっかり固めて住宅購入を検討してください。
イエステーション大分店(大分不動産カフェ)では、いつでもご相談を受け付けています。
※現在コロナ感染予防対策としてご予約制とさせていただいております。
ご理解いただきたくお願いいたします。